
自賠責康保険と任意保険
自動車保険には、自動車損害賠償責任保険(自賠責)と任意保険があります。
自賠責は、被害者の保護のために最低限度の損害賠償を行うための制度で、法律上加入が強制されています。一方、任意保険は、各保険会社がそれぞれ提供している保険商品です。
まず自賠責保険は、被害者の損害を国が最低限度補償する目的の制度で、人身損害に限定され、また賠償額については、法令によって支払額の上限と支払の基準が設けられています。補償はあくまでも
最低限度補償ですので、被害者の損害について全てを賄いきれない場合は、残り を加害者または加害者が加入する任意保険会社に請求をすることになります。
任意保険の賠償額の支払基準は、各保険会社が独自に定めています。その額は、自賠責保険に若干の上乗せをした程度であることが多く、したがって、保険会社
が提示する賠償額は、かなり低くなるのが一般的です。よって保険会社の提示した補償内容 や賠償額について交渉で折り合いが つかない場合は、訴訟を提起し裁判所の判決に委ねることになります。
裁判所基準とは、東京地方裁判所の考え方や過去の裁判例などを参考に、日弁連交通事故相談センターが公表しているもので、多くの裁判所で裁判基準としても利用されています。その内容は、「民事交通事故訴訟
損害賠償算定基準」(通称「赤い本」)に記載されています。
その損害賠償額の基準は任意保険の支払基準に比べかなり高額となっています。